2014/10/03

味噌汁ってスゲエ！「朝の毒消し」と呼ばれる味噌は病気や生活習慣病も撃退するスーパー調味料だった

家電・雑貨・食品

ところで「味噌」ってどこから来たの？

味噌の起源は、中国の醤（ひしお）にあるといわれています。
醤は、肉や魚、穀類などに塩を加えて発酵させたものです。
日本には奈良時代以前に伝来しました。
律令時代、宮内省大膳職（だいぜんしき：）に属する「醤院」では、宮廷用の醤などとともに「未醤」と呼ばれる発酵食品がつくられていました。
これが味噌の前身といわれ、「未醤」から味醤→味曽→味噌となったといわれています。

味噌の種類は地方によってさまざまある

味噌は、煮るか蒸した大豆に麹（こうじ）と塩を混ぜ、発酵・熟成させたものです。
麹の原料によって、米味噌、麦味噌、豆味噌の３つに大別され、これらを混合した「調合味噌」もあります。
さらに、塩加減と麹の配合により、甘味噌、辛口味噌、その中間の甘口味噌に分かれ、色調によって、赤・白・淡色に分けられます。
味噌の色は、材料や製法、発酵・熟成期間で変わり、発酵・熟成が進んでいるほど色は濃くなります。
また、仙台、信州、津軽など産地による分類もあります。

ガンをはじめ多くの生活習慣病を予防する味噌

味噌は古くから「医者殺し」と呼ばれ、味噌汁は「朝の毒消し」といわれてきま
した。
味噌は良質のタンパク源であり、さまざまな病気を防ぐ働きのある健康食でもあります。

味噌汁と胃ガンの関係

味噌汁を飲む頻度と胃ガンの関係についての調べたところ、味噌汁を毎日飲む人には死亡者数が最も少なく、飲む頻度が少ないほど死亡者数が多いという研究結果あります。
味噌のガン予防効果は、「大豆サポニン」によるものと考えられています。
サポニンには、ガンの原因である活性酸素の働きを抑え、活性酸素そのものを消去する作用もあります。
しかも、味噌の主原料の大豆と味噌では、味噌のほうが抗酸化作用が強く、これは味噌が発酵・熟成する過程でさまざまな未知の物質がうまれ、それが効果的な働きをするためと考えられます。
味噌にはほかにも、コレステロールを下げて動脈硬化を予防したり、胃潰瘍や老化防止など、さまざまな働きがあります

ご飯と味噌汁は栄養面でも相性抜群

味噌は、麹を加えることによって、乳酸菌や酵母など約160種もの微生物が働き、タンパク質をアミノ酸に分解するので、消化・吸収にたいへん優れています。
また、味噌の主原料の大豆には、主食の米に不足している必須アミノ酸・リジンが豊富に含まれています。
つまり、日本人の食事の基本である「ご飯と味噌汁」は、栄養的にも理にかなった抜群の組み合わせなのです。

1日3杯の味噌汁で、乳ガンの発生率が約半分に

厚生労働省研究班は、岩手・秋田・長野・沖縄の4県に住む40～59歳の女性約2万人を、1990年から10年間追跡調査し、大豆製品と乳ガン発生率との関係について調べました。
その結果、味噌汁の摂取量と乳ガンの発生率には相関関係があり、味噌汁を1日2杯飲む人は、1杯以下の人と比べて、乳ガンの発生率が26％も減少。
3杯以上飲む人では、40％も少なくなっていました。
大豆に含まれる「イソフラボン」という成分の働きによるものと考えられています。

味噌を購入するなら麹入りが絶対おすすめ

「国内産大豆使用」とか「有機栽培大豆」などを謳っている味噌はたくさんありますが、オススメしたいのは断然、麹入りの味噌です。
すでに書いたように、味噌は、麹を加えることで乳酸菌や酵母をはじめとする微生物が活躍してくれています。
ですから、麹入の味噌で、加熱殺菌処理していないものを使うのがオススメ。
ただし、お味噌汁をつくるときに、煮立てないように注意しましょう。
なぜなら、味噌を48度以上の熱湯に加えて温めてしまうと、麹菌や乳酸菌、酵母が死んでしまうからです。
ありがたい菌ばかりなので、やさしくしてあげましょう。